京都のお寺ではたくさんの仏像たちに出会えますよね。普段は見ることができないものや、期間限定公開のものなど、種類もさまざま。今回は、歴史をこよなく愛する方へ、仏像巡りをする際に役立つポイントをご紹介します。
京都にはたくさんのお寺があり、さまざまな仏像に出会うことができます。でも、仏像とはそもそも何なのでしょうか?仏像は、仏の世界を表したもののことを言います。別の言い方をすれば、仏教の信仰の対象である”仏”を表したもの。だからこそ、仏像の前では皆が手を合わせ、祈りを捧げますよね。
仏像の起源は古く、仏教の開祖である釈迦が始まりであるとされています。もともとは足形などをかたどったものでしたが、後に釈迦そのものの姿を現した仏像が作られるようになったようです。
仏像には、「如来」「菩薩」「明王」「天部」という、大きく分けて4つの種類があると言われています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
「如来」とは、仏の尊称のことを言います。つまり、悟りを開いた者のことです。また、三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)と呼ばれる身体の特徴を持っていると言われているため、如来像もこれを表しています。頭部が盛り上がり、髪が右巻きに渦を巻いていて、装飾品などは一切身に付けていないのが特徴です。
「菩薩」は、如来になろうとする者、言い変えれば、悟りを開こうと修行をしている者を指します。髪は高く結い上げられ、宝冠などをかぶっていることが多いのが特徴。さらに、それぞれが道具を持ち、その多くが蓮の花で作られた蓮台を持っています。
「明王」は、密教信仰特有の仏像であり、 恐ろしい相をしています。教えに従わない者を力ずくで帰依させる者です。左に索髪(さくはつ)を垂らし、右手に剣を、左手に羂索(けんさく)を持っています。
「天部」は、仏教を守る者のことです。必ず手に物を持っていますが、持ち物は役割によってそれぞれ変化します。
仏像は、手のサインで仏さまが表していることが分かると言われています。
●禅定印(ぜんじょういん)座禅の手ポーズ。仏さまが瞑想に入っていることを意味する。
●説法印(せっぽういん)人差し指と親指で丸のような形をとっているポーズ。説法をしていることを意味する。
●施無畏印(せむいいん)手のひらを前に向けて、肩の高さに上げるポーズ。参拝者へ安心感を与える。
●与願印(よがんいん)手のひらを前に向けて、手を下げているポーズ。願い事を叶えるという意味。
また、阿弥陀如来の手の形は宇宙を意味し、博愛精神を表しているのだとか。仏さまの手にはこんなにもいろんな意味があったとは!かなり興味深いですよね♪
仏像は知れば知るほど、奥が深いもの。その種類や手のサインを知っているだけで、京都のお寺巡りの楽しみ方もぐっと広がるはず。与願印のポーズをしている仏像に出会えたら、あなたの願いを叶えてくれるかも♡