カルチャー
2016.09.08(Thu)

【フクオカhumanpedia】第2回「ラーメンだけじゃない、福岡の麺を知り尽くした達人」

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「フクオカhumanpedia」は、古くから商都として栄えてきた福岡の街を支えた、歴史上の著名な人物や、知る人ぞ知る職人たち、現在福岡の各分野で活躍している人々を紹介する連載コラムです。

第2回目に登場するのはヌードルライター・山田祐一郎さん。彼を虜にした福岡の麺とは?

世界初の肩書き!?ヌードルライターって?

まぁるいメガネに柔らかい笑顔がトレードマーク、山田祐一郎さんの肩書きは、ちょっと聞き慣れない“ヌードルライター”です。

「福岡といえばラーメンの街と思われがちですが、実はうどんや蕎麦の発祥の地だったり、わざわざ食べに行く価値のあるパスタ、ちゃんぽんなど、魅力的な麺はほかにもたくさんあるんです。『そんな福岡の魅力をもっと県内外のみなさんに伝えたい!』と、当時おそらく全国でただ一人の“ヌードルライター”という肩書きを自分につけました」。

好きなものを追いかけた結果、唯一無二の強みを発見

ご実家が製麺所だったこともあり、麺や小麦、おいしいものが大好きだったという山田さんですが、食一色の人生ではなく、学生時代は商売というものに興味を持ち、大学では商学部に進学しました。感度の高い仲間たちとファッションや音楽にのめり込み、ファストフードの店でアルバイトをしながら店舗運営のおもしろさにも目覚めたのもこの頃だそうです。

卒業後は、「商売、おいしいもの好き」という強みを生かし、飲食店の店舗マネージャー職に就きましたが、20代半ばになると新しい夢を見つけます。それが、今につながるライターという仕事でした。

「昔から、書くことが得意だったわけではないんですが、タウン情報誌なんかを見ていて、街の気になる店に取材という大義名分で行けて、店づくりや商売の話まで聞けるなんて役得だなぁと思ったんです。お金をもらいながらおもしろい話が聞けるなんて最高じゃないか、と。もちろん、実際になってみるとそんなに簡単ではないし、たくさんの壁にもぶつかりましたが」と照れ笑い。

” 1 日1 麺” を続け、ついには自分の店もオープン

2015年夏、それまでの知識や経験を1冊にまとめた「うどんのはなし」という本を出版。福岡のおいしいうどんのお店はもちろん、歴史を紐解いたり、人にフィーチャーしたり、地元と麺への愛情に満ちた作品に仕上がりました。

しかし、その活躍はとどまるところを知りません。商売を学び、飲食店経営を知り、音楽やインテリアのセンスも磨き、ライターになって本も出す、次々に夢を叶える山田さんは、2016年夏、うどんの店「こなみ」をオープンさせました。これまで培ってきた経験をフルに生かして、山田さんと料理人である奥様・美智子さんが二人三脚で完成させた店です。

「実家の近くで、実家の麺を使って、のんびりうどんを食べてもらえる場所をつくりたかった」。

その言葉通り、波の音が聞こえてきそうな海のそば、ご夫妻が好きな音楽やどこか懐かしくあたたかい空間に包まれて食べるうどんは本当においしくて。心もおなかも満たしてくれる優しい一杯は、わざわざ食べに行く価値があるんです。

<店舗情報>
こなみ
住所:福岡県福津市津屋崎4-10-13
電話番号:0940-52-4613
営業時間:うどん11:30〜15:00(売り切れ次第終了)、喫茶15:00〜18:00 ※早仕舞い有り
定休日:不定休(主に月水木※2016年9月現在)

最新の営業時間や店休日はFacebookでもチェック!
https://www.facebook.com/conami573/

<profile>
山田祐一郎さん
やまだゆういちろう●1978年生まれ。西南学院大学商学部商学科卒。2003年、福岡市内の編集プロダクション に就職し、ライターとしてのキャリアをスタート。これまで福岡で発行されている情報誌、飲食関係の専門誌、全国版の観光ガイドブック、各種MOOK本、企 業のホームページ及び販促・宣伝ツール、会社案内の原稿執筆に携わる。2012年8月【KIJI(キジ)】を設立。本格的にヌードルライターとして活動を 開始。現在に至る。2015年7月に福岡初であり、福岡発のうどんカルチャーブック「うどんのはなし 福岡」を上梓。福津市在住。
HP:http://ii-kiji.com/

●掲載内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。
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