アミューズ
2018.01.18(Thu)

【旅ログ】京都のレトロを味わう!珈琲名店巡り

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こんにちは!京都育ち京都在住の、旅と珈琲が大好きなライター、キョンです。今回は、Pintrip読者のみなさんに、ぜひ一度は訪れてほしい!京都の2つの喫茶店をご紹介します。

喫茶店っていいですよね、あのレトロでしっとり落ち着いた気分でいただく珈琲。おしゃれなカフェとはまた違った魅力があると思いませんか??

拠点となるのは、ソラリア西鉄ホテル京都プレミア 三条鴨川です。和の雰囲気とモダンなテイストが調和した、まだオープンしてから1年も経っていない新しい素敵なホテルです。鴨川のほとりにありながら、京都の街中にもすぐに歩いていける最高の立地ですよ。

もはや名所。京都人から愛され続ける六曜社の世界『六曜社地下店』

まずは、ソラリア西鉄ホテル京都プレミア 三条鴨川から歩いて約5分の距離にある、六曜社珈琲店にお邪魔します。お目当てはもちろん、珈琲。そして名物のドーナツ!

最近、なんとニューヨークタイムズの「京都人が日常を過ごす喫茶店」といった内容の記事で紹介されたそうで、外国人のお客さんもいっぱいです!六曜社珈琲店には、1階と地下店がありますが、コーヒーの淹れ方で分けられていて1階がネルドリップのブレンドコーヒー、地下はペーバードリップのストレートコーヒーなんです。

今日は地下に行ってみましょう。地下へと続く階段、緑色のレトロなタイルと看板の文字に心が躍ります。この先にどんな世界が広がってるのかな?なんて、ドキドキ。

扉を開けると、地上とは別世界の「これぞ喫茶店!」という空間と豊かな珈琲の香りと、マスターの奥野さんが迎えてくれました。

珈琲のメニューは、ブラジルやグアテマラ、エチオピアモカ、メキシコなどの産地に分かれており、そこからさらに、深煎り・中深煎り・中煎り・浅煎りに分かれています。ハウスブレンドとマイルドブレンドもあります。

うわ~どれにしよう……。めちゃくちゃ悩みます。「やっぱりハウスブレンドがおすすめですか?」なんてベタな質問をしてしまいましたが、「どれもおいしいですよ」とマスター。何十年も変わらないラインナップなんですって!

迷いに迷った結果、今日は「グアテマラ 中深煎り」をお願いすることに。あともちろん、ドーナツも。

六曜社では、焙煎歴約35年(!)のマスターによる自家焙煎の珈琲豆を、丁寧にドリップして出してくれます。「喫茶店の営業が終わったら、南禅寺の近くにある六曜社専用の小屋で焙煎しています」とのこと。カウンターの奥で、じっくり淹れてもらった珈琲が届きました。ほら、ドーナツもほっこりする可愛らしい佇まいでしょう?

さて、グアテマラ 中深煎りのお味やいかに。

コクがあって、でもしつこくなくて。飲んだあとにも残る香りの余韻。シンプルなドーナツとの相性も最高です。

実は私の家でもキッチンのコンロで自家焙煎をしていて、それはそれでもちろんおいしいのですが、何かが違う……。おいしい珈琲をいただきながら考えていたところ、カウンターのメニューの隣にあるメッセージが目に入りました。

「珈琲に関するご質問はお気軽にカウンターまでどうぞ」

お気軽に聞いていいのか!ぜひ知りたい!ということで、「なぜこんなにおいしい珈琲ができるんですか?しかも全種類500円って、この立地と手間のかけ方からして、とっても安いと感じます」と恐れ多くも聞いてみました。

そうすると、マスターは「珈琲は農作物である生豆が勝負。すべての基本なので、こだわっています。そしてこのお店では、珈琲は主役というより文化のなかに存在するモノ、という役割を維持したいと思っています。だから仕入れなどで工夫をして、値段を高くしないようにしてるんですよ」と教えてくださいました。

六曜社珈琲がこの場所で開店したのは、1950年。約70年もの間、愛される理由がとてもよくわかりました。

おいしい珈琲とマスターの優しさにほっこりしたところで、次は三条通を歩いた先にある、こちらも老舗の喫茶店に向かいます。贅沢にも名店のハシゴです(笑)。

憧れのテーブルクロスで飲むアラビアの真珠『イノダコーヒ本店旧館』

「京都で珈琲を飲むならどこがおすすめ?」そう聞かれたら、多くの京都⼈は「イノダコーヒやったら間違いないんちゃう?」って答えるんじゃないかなと思うくらい、京都に根付く喫茶店が『イノダコーヒ』です。

創業は1940 年。約80 年もの間、京都のカフェ⽂化を率いてきたイノダコーヒの本店に伺います。三条通りから少し堺町通に⼊ったところにありました。⾚いミルと船が⽬印です。レトロでおしゃれな外観に⼼躍らせながら、中に⼊ります。

どこのお席でも素敵な雰囲気は味わえますが、おすすめは旧館!今回はとってもラッキーなことに、窓辺の席に案内してもらうことができました。⼤きな窓から陽の光が差し込んできます。

⾚いチェックのテーブルクロスのうえに、オーダーしたホット珈琲とレモンパイが運ばれてきました。イノダコーヒには、珈琲はお砂糖とミルクが⼊った状態でサーブされる、という特徴があります。私はいつもお砂糖を⼊れない派なのですが、せっかくなので創業時から変わらないというブレンド「アラビアの真珠」のお砂糖ミルク⼊りを注⽂します(もしお砂糖・ミルクがいらなければ、オーダー時に伝えてくださいね)。

オリジナルのカップに⼊って出てきた珈琲は、ほろ苦いなかにも優しい⽢さが余韻として残る、他店では飲めないおいしさです。

さらに、注⽂したレモンパイと⼀緒にいただくと、ケーキの⽢さとコクのある珈琲のバランスに感動!とろけるメレンゲにレモン味のクリーム、しっとりしたスポンジケーキに、⼩⻨の味がしっかりするパイ⽣地からなる4層のレモンパイは、それだけでも笑顔がとまらないくらいのおいしさです。珈琲との相性も素晴らしいので、ぜひみなさんにもこの感動を味わってほしいと思います。

イノダコーヒ本店は、上質な飲み物や⾷事、デザートが豊富に揃っているだけでなく、その空間も同じくらい楽しめます。

座り⼼地のよい背の低いチェア、歴史を感じる重厚感のある机、⾒上げるとあたたかな雰囲気のランプシェードがオレンジ⾊の光を届けてくれています。そのほかにも、ステンドグラスに⽯の床、レンガ作りの壁の外壁などなど……。⽬を上げるたびに出会える⼩さな発⾒が楽しくて、ついつい⻑居してしまう空間です。そこにあるものすべてが、丁寧に、⼤切にされてきたんだなぁ、ということが伝わってきますよ。

磨かれた古いものは、こんなにも美しいものなのだということに気づかせてもらいました。

世代を超えて愛される京都の名店喫茶店。今回は大好きな2店舗をご紹介しました!

京都には魅力の詰まった喫茶店がほかにもいくつかあります。それぞれ個性は違うけれど、まじめさや誠実さ、という点においてはどのお店も共通しているなぁ、と私は思っています。まじめにお客さんと向き合う、おもてなしの心。グッときますね。

近くにお越しの際は、ぜひ足を運んで京都の喫茶文化を感じてみてください。

〈基本情報〉
■六曜社珈琲店地下店
住所:京都市中京区河原町三条下ル大黒町36
電話番号:075-221-3820
営業時間:1階 8:00~23:00 / 地下店 12:00~18:00
店休日:1階 無休 / 地下店  水曜休
珈琲豆の販売もされています。

■イノダコーヒ本店
住所:京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140
電話番号:075-221-0507
営業時間:7:00〜19:00
HP:http://www.inoda-coffee.co.jp/shop/honten.html
珈琲豆やケーキ、オリジナルグッズの販売もされています。

〈 施設情報 〉
ソラリア西鉄ホテル京都プレミア 三条鴨川
住所:京都市中京区木屋町通三条上る上大阪町509番地
電話番号:075-708-5757
HP:http://nnr-h.com/solaria/kyoto_p/

●掲載内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。
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