京都の「おばんざい」は、ヘルシーで上品な口当たりと美しい見た目からも女性に大人気の京料理です。
実は、その美味しさの秘密を握っているのが「お出汁」。やさしい味を演出してくれる京のお出汁の秘密に迫ります!
「おばんざい」とは、昔から京都で食べられている家庭料理のことです。
基本的に、季節に応じた旬の素材で作られるお惣菜で、京都に暮らす人々が工夫をこらしながら生み出した無駄のない調理法が用いられているのも特徴です。
「おばんざい」と呼ばれるようになった由縁や語源は、いくつかあるようですが、一般的によく使われている漢字が「お番菜」。この「番」という漢字が持つ意味には、「茶番」などに使われていることに等しく、「日常」あるいは「普通」などを意味していると考えられています。つまり、特別なものではなく、あくまで「日常に食べる飽きの来ないおかず」のことを京都では「おばんざい」と呼ぶようになったようです。
薄味で上品な味に仕上げる「おばんざい」の美味しさを決めるものと言えば、「お出汁」。
お出汁抜きの「おばんざい」なんてあり得ないと言えるほど、重要な役割を果たしてくれています。
余計な調味料を使用せず旨みを引き出すために、ひと手間かけるのが「おばんざい」の基本です。
そのひと手間こそが、昆布やかつお節でとる出汁。これを使って野菜やお魚、大豆などをコックリと炊いていく。
これこそが、「おばんざい」の調理に欠かせないプロセスのひとつともいえます。
出汁をしっかりとることで、旨みが増し、素材そのものの美味しさを引き立ててくれます。まろやかで美味しい料理を作るためには、このひと手間が大切なことが分かりますね。
また、一度使用した昆布やかつお節も、捨てるのではなく、佃煮や、酢の物、炊き込みご飯などに再利用していきます。これぞまさに「おばんざい」が生み出した魔法のような調理法です。
料理の基本とも言える「お出汁」。「おばんざい」にも欠かせないこの出汁には、「一番出汁」と「二番出汁」があります。
まず、「一番出汁」とは、その名の通り一番初めにとる出汁のこと。
これは、お吸い物や出しご飯などに使用します。
そして、「二番出汁」ですが、こちらは一度出汁をとったものを使用して再度出汁をとったもの。
主にお野菜などを使用した煮物に使用していきます。この場合は、必ず「追い鰹」をして煮炊きしていくのも特徴です。これは、鰹をペーパーなどに包んだものを煮物などの上に置いて調理する方法のことをいいます。
これからの季節、おでんや、お鍋、雑炊など様々な料理に使用できるので、出汁のとり方を覚えておくと便利ですね。
お出汁が旨みを引き出してくれるのはいいけれど、毎日出汁をとるのはちょっと大変という方でも大丈夫!
出汁は、作り置きができる超優秀な調味料です。冷蔵庫で保存すれば3~5日は持つので、忙しい方にピッタリ。
コレさえあれば、他の調味料は少ない量でOKなので、健康や美容の点からもオススメですよ。
<用意するもの>
鍋、水(約2,000cc)、昆布(約8~10cm)、かつお節(ひとつかみ)
<作り方(一番出汁)>
鍋に水と昆布を入れて火にかける。
沸騰しそうになる前にかつお節を入れて沸騰させる。
ザルでこす。
<作り方(二番出汁)>
一番出汁で使用した昆布とかつお節と水(約1,000cc)を鍋に入れて火にかける。
約12~15分煮た後、ザルでこす。
作ったお出汁は、煮物や汁物などの和食にはもちろん、パスタなどの洋食や中華などの隠し味にも使えるので、ぜひいろいろ試してみてくださいね!
一度ならず二度も利用できる「お出汁」たち。
京都に暮らす人々が受け継いできた「おばんざい」の魅力には、こんな秘密があったんですね。旨みを引き出す調理法を守り続ける「お出汁」を使って、毎日の食卓を京都のやさしい味で彩ってみてはいかがですか?
お出汁を使えば料理美人になれること間違いナシ♡