アミューズ
2016.12.15(Thu)

香を聞いて美を磨こう!香道をたしなむ「はんなり時間」

このエントリーをはてなブックマークに追加

古くから日本に伝わる「香道」は、京都でも気軽に楽しめる歴史ある芸道のひとつです。
香りで表現する世界観を楽しむ様は、まさに芸術の世界。そんな趣深い香道の楽しみ方をご紹介します。

 

「香道」とは?

「香道」とは、日本に古くから伝わる茶道や華道などと並ぶ芸道のひとつです。

その名の通り香りを楽しみながら、心や精神と深い結びつきを持つ伝統芸能ともいえます。言い換えれば、香りを用いて心を遊ばせること。古来より日本の人々は、心地良い香りを楽しむことで、心の満足感を得るという、かなり高貴な遊びをしていました。それが「香道」です。

「香道」の歴史は古く、飛鳥時代から奈良時代が始まりといれています。当初は仏事の供え香であった香ですが、やがて平安時代になると、宮中生活の楽しみに用いられるようになり、貴族にとっては必要不可欠なものにまで発展したとされています。

さらに、戦国時代には上級武士の間にまで広まり、「香」は「茶」とともに愛好されていきました。

 

趣深い美しさを表現する「香道」の世界

現代において香りを使用した癒しの手法として人気なのが、アロマテラピーですが、「香道」はその先駆者であり、アロマとは違う独特の世界観を持っています。
それは、香りの世界が芸術となったものだということです。
その大きな理由のひとつは、「香道」が多くの古典文学と深いつながりを持つことがあげられます。

例えば、香道の席では組香(くみこう)というものが行われ、2種類以上の香りを用いながら、1つのテーマを表現、鑑賞していくのですが、この時のテーマに用いられるものこそが、和歌や古典文学。文学の世界を香りで表現し、その香りを鑑賞するという、なんとも繊細で趣深い美しさに満ちた世界こそが、「香道」の特徴ともいえるでしょう。

 

香を「聞く」とは?

香道では、香りを「嗅ぐ」という表現はせず、「聞く」という言い方をします。
香道の世界においては、香りを嗅ぐのではなく、心を使って聞く、つまり心を香りに傾けながら、心の中で味わうという楽しみ方をするからなのです。

こういった理由からも、香道で香りを鑑賞することを「聞香」(もんこう)と表現します。
香りを「聞く」という表現は、あまり聞き慣れない言葉ですが、このことからも香道が持つ美しさ特有の、奥深さや繊細さが伝わってきますね。

 

香をたしなむ「はんなり時間」を過ごそう!

心で香りを楽しむ「香道」の世界をのぞいてみたいけれど、ちょっとハードルが高いかもという方へオススメなのが、香を毎日の暮らしに取り入れる方法です。

リビングやベッドルーム、玄関、バスルームなど、さまざまな空間に合わせて好きな香りのお香を焚くだけなので、とっても手軽でカンタン!また、焚くのではなく、クローゼットに飾るタイプのものや、バッグなどに忍ばせられるものなど、ライフスタイルに合わせたお香もあるので、まずはそちらを利用してみるのもいいかもしれませんね。

本格的に香道をたしなんでみたい!という方は、ぜひ香道教室や、お香の専門店に足を運んでみてください。
特に京都には香を扱う老舗のお店がたくさんあるので、体験教室の情報や、基本作法などについて調べてみるのもいいかもしれませんね。
京都で過ごす「はんなり時間」、美意識を高めたい方にかなりオススメです!

 

もしかすると香道は、平安時代の貴族や戦国時代の武士たちが大切にしていた「心の美」を現代にまで届けてくれた「香りの贈り物」なのかもしれませんね。
香をたしなむことは、美しさを磨くこと。歴史を超えて受け継いだ「心の美」を体験してみてはいかがですか?あなたの心の中にも美しさが香りはじめるかも♡

●掲載内容は記事公開時点のもので、変更される場合があります。

おすすめ記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード